今年のはじめに「1年で映画100本観る」という目標を立てた。
無事に達成することができたので、ラインナップを列挙しつつ印象に残ったことについて述べていきたい。
- セーラー服と機関銃
- 日本敗れず
- 風雲のチャイナ
- バンズラビリンス
- 戦場のメリークリスマス
- 今夜、ロマンス劇場で
- ミッドサマー
- 白夫人の妖恋
- ブラック・ブック
- ファンタスティックビーストとダンブルドアの秘密
- ヒトラーに盗られたうさぎ
- ある画家の数奇な運命
- ライフ・イズ・ビューティフル
- 偽りの忠誠 ナチスが愛した女
- 美しき生首の禍
- ソロモンの偽証 前編
- ソロモンの偽証 後編
- 紅葉狩
- アナタハン
- カツベン
- 驚異の透明人間
- 透明人間
- プロミシング・ヤングウーマン
- 整形水
- 地球の静止する日
- 女相続人
- クレオパトラ
- アンナ・カレニナ
- 歴史は夜作られる
- 肉体と幻想
- 運命の饗宴
- 裏街
- ガス燈
- 沙漠の花園
- カスバの恋
- ずっと独身でいるつもり?
- 七人の侍
- 征服
- 邂逅
- 天使
- 真珠の首飾
- ミスト
- 青い山脈
- 續・青い山脈
- トップガン マーヴェリック
- マルサの女
- 生きるべきか死すべきか
- 博士と彼女のセオリー
- ロミオとジュリエット
- 珍選組
- かぐや姫
- 新しき土(日英版)
- 舞台恐怖症
- 地球防衛軍
- 暗黒街の顔役
- 暗黒街の対決
- 暗黒街の弾痕
- 黒い画集 あるサラリーマンの証言
- 黒い画集 寒流
- 椿三十郎
- 緯度0度大作戦
- 無責任遊侠伝
- クレージーの無責任清水港
- デイ・シフト
- 国際秘密警察 絶体絶命
- 殴り込み清水港
- 惑星大戦争
- 顔役暁に死す
- クレージーの大爆発
- はりきり社長
- 空の大怪獣ラドン
- ハワイの若大将
- 大怪獣バラン
- 宮本武蔵
- 続宮本武蔵
- 華麗なる一族
- さよならジュピター
- 電送人間
- 日本海大海戦
- 連合艦隊司令長官 山本五十六
- 美女と液体人間
- 江分利満氏の優雅な生活
- スペンサー ダイアナの決意
- キングコング対ゴジラ
- モスラ
- 三大怪獣 地球最大の決戦
- 大番
- 怪獣島の決戦 ゴジラの息子
- メカゴジラの逆襲
- ゴジラ対メカゴジラ
- リーグ・オブ・レジェンド 時空を超えた闘い
- ゴジラvsデストロイア
- 007 リビング・デイライツ
- 007 消されたライセンス
- 華麗なる闘い
- マスターズ&スレイブス 支配された家
- ナイブズ・アウト グラス・オニオン
- 燃ゆる女の肖像
- 時をかける少女
- 安城家の舞踏会
番外編 他に観たドラマなど
だいたい気になった俳優の出演作を追いかける形で観た気がする。
年初はなんとなくタイトルは聞いたことあるけど観てない作品、もしくは配信サイトで目に止まったものを観た。
ファンタスティック・ビースト三作目を観てからしばらくドイツ魔法大臣役だったオリバー・マスッチの出演作を観始める(『ある画家の~』までが主にそう)。
これは前にちょっと書いた。
あとは番外編に書いたけれどNetflixドラマも観た。『DARK』はえらく登場人物たちの系図が難解で何度も自分でそれぞれの家系図を書きながら観た。あと作り込みがすごいだけに世界線が複雑。もう一周したらまた違うのかな……。
それから『歴史は夜作られる』~『邂逅』はひたすらシャルル・ボワイエの出演作。早川雪洲の出ていた『ラ・バタイユ』のリメイク版に出演していたらしく、名前だけ見たことがあったけどなるほど二枚目である。アラン・ドロンとショーン・コネリーを足して二で割ったような顔してない? そんなことはない?
そして洋画が多かったラインナップから一気に52番辺りから日本映画(というか東宝映画)ほぼ一色に。
これはちょっと故があって初代『ゴジラ』を見返す機会があったのだが、芹沢博士かっこよすぎない? という気づきを得てしまったことによる。
「芹沢博士って誰?」という向きのためにネタバレ含めて説明すると、『オキシジェン・デストロイヤー』なる酸素破壊装置を開発してしまった若き科学者である。最終的にゴジラを倒すためにそれを使用することになるものの、将来オキシジェン・デストロイヤーが殺戮兵器として悪用されることを危ぶみ、自らの手でゴジラに使用すると同時に死を選ぶ。ちなみにヒロインである恵美子の元婚約者であったが、戦時中の負傷が原因で話がなくなったとかなんとか。眼帯もその負傷が原因と思われる。
過去一度観たときは「あぶない、芹沢博士が好きになりそうだった……歴代の推し(眼帯やら報われないところやら孤独やら)に似ている……ストライクゾーンすれすれだったわ……」と述べていたのだが、もう一度見たらすれすれどころか普通に好きだった。
ちょっと! 演じられている俳優さん名前なんていうんですか! と思って調べた。平田昭彦というらしい。敬称略。
詳しくはWikipediaでもどうぞ(いつもそうやって丸投げする~)
ざっくり経歴を要約すると、
陸軍士官学校→東大法学部→現:三菱商事→李香蘭のすすめで映画界入り
といういわゆるハイスペックでしかない。ハイどころじゃなくウルトラスーパーハイスペックである。これでいて顔もかっこいい。意味がわからない。前世でどんな徳を積んだらこうなれるんだろう(御本人の努力の賜物でしょうけども)。
かっこよすぎるしすごすぎるしで、Prime videoの東宝名画座チャンネルに登録して片っ端から彼の出演作は観られるだけ観た。
芹沢博士でめちゃくちゃ辛くなってしまったのだが、『ゴジラ対キングコング』ではだいたい「わからないねェ」「何とも言えないねェ」とかっこよさげに言っているだけの重沢博士に「でもすごくあたまよさそうにみえるし生きてるからOKです」となり、『メカゴジラの逆襲』はマッドサイエンティストチックな真船博士と娘さんにしんみりした。振れ幅が大きすぎる。
『暗黒街』シリーズはクールな兄貴分だったり悪徳弁護士だったりでどれもかっこよかった。個人的には『顔役暁に死す』のヤクザのボスが一番のお気に入り。結局加山雄三演じる主人公の義理の母親とはどういう関係(お互いの感情的に)だったんだろう……。
(ところで話が脱線するけど、『江分利満氏の優雅な生活』のストーリーのテンポ感が気持ち良いくらいすばらしくて岡本喜八すごーいというものすごく浅い感想を持った)
今年観た平田昭彦出演作でいちばん印象に残っているのは『大番』。
ディスク化されていない映画シリーズで、大学図書館で一作目だけなんとか観られた。最近の若いものはVHSの存在を知らない云々よく言われるが、たしかにビデオの巻き戻しには苦戦した。
ざっくりどういう話かというと、
時代は昭和初期。主人公(加東大介)は地元のご令嬢(原節子)相手にラブレターを渡す騒動を起こしてしまい、身一つで愛媛から上京。相場師として成り上がるべく兜町であくせく働くが、件のご令嬢が伯爵家の令息(平田昭彦)と結婚して東京に居ることを知り……以下略。昭和恐慌やら五一五事件もあるよ。
平田昭彦と原節子が夫婦設定なことに驚いた。びっくりした。知らん間に私が配役決めたか? と思った。そんなことはない。早川雪洲の娘役をやった原節子(『新しき土』)が平田昭彦と夫婦役(『大番』)!? 推しと好きな女優と好きな俳優が役柄の上で姻戚関係って最高!?(作品何本跨ぐ気だよ)
平田昭彦と原節子、ふたりとも知性や品の感じられるビジュアルなので宇和島伊達家ゆかりの名家のお嬢様と伯爵家の令息という属性の説得力がすごすぎる。お揃いで拵えた雛人形のようである。お内裏様とお雛様ふたり並んで澄まし顔を地で行くカップルである。しかもこの夫婦揃っての初登場シーンはなんと歌舞伎座。どうやらふたりで観に来ていたらしい。素敵夫妻すぎる。早く結婚してほしい(してる)。ちなみに演目が『伽羅先代萩』だった気がするのは宇和島伊達家云々の設定があったからだろうか。
ただ、これは私の偏見なのだが、あまりにふたりの持ち味の属性?(先述の品の良さなど) が似ていて、このふたりを並べるなら夫婦というより姉弟とかのほうがハマりそうな気がしなくもなかった。いや『大番』での夫婦キャスティングは最高なんだけども。今から原節子と平田昭彦を姉弟にキャスティングする前提でタイムスリップして何かしら映画の脚本書きたいかもしれない。あと残りのシリーズを観させてほしい。
東宝へ 大番をディスク化してください 私より
100本について満遍なく総括したかったのにほとんど平田昭彦の話になってしまった。
皆様良いお年を。大河ドラマの感想もそのうち。