郵便配達はベルを鳴らさない

平均よりちょっとだけ多めに映画を観る人間の雑記

2023-01-01から1年間の記事一覧

早川雪洲の命日に千倉へ行った

11月23日はなんの日?そう、全国民がこう答えるでありましょう。日本人ハリウッドスター・早川雪洲の命日であると……。今日って早川雪洲の命日だから祝日なんですよね。なんかよくわからん理由つけて誕生日(6月10日)も祝日にしませんか? 妄言はさておき、早…

ハラキリ、セッシュー・ハヤカワ! 新国立劇場オペラ『修道女アンジェリカ/子どもと魔法』

あなたは自分の好きな俳優が突然オペラの歌詞でハラキリを宣言されたことがありますか? 私はあります。 新国立劇場で10月に上演予定のオペラ『#子どもと魔法』。管弦楽の魔術師ラヴェルによる色彩豊かなファンタジーで、一人の少年の成長譚でもあります。ht…

早川雪洲初主演作『颱風』を観た ―国立映画アーカイブ

国立映画アーカイブ(NFAJ)にはだいぶお世話になっている。去年は東宝映画特集で『新しき土』の伊丹版を鑑賞して「うわファンク版と違う!」と盛り上がったし、『ゴジラ』で芹沢大助こと平田昭彦のカッコよさに気づいてしまった。 そんな中、NFAJにはいつもだ…

神戸映画資料館で早川雪洲作品を観てきた

" data-en-clipboard="true"> 神戸映画資料館で早川雪洲の出演作を3本観てきた。ブログのタイトルそのまますぎる。 " data-en-clipboard="true"> 次回プログラム②【国立映画アーカイブ所蔵 外国無声映画傑作選 vol.3】9月16日(土)13:30〜鶴子と雪洲 知ら…

人と時の移ろいやすさ 『さらば、我が愛/覇王別姫』感想

昔、大学で演劇分野の講義を取っていた。かといってそんなにガチガチに難しいものでもなく、入門編のような気楽なものだった。教授の軽妙な喋りと、豊富な映像資料をもとに、昔は雅楽や神事から現代はミュージカルまで幅広く取り扱う講義だった。 さて、そこ…

正気を犠牲にしたオデュッセウス 『ナチスに仕掛けたチェスゲーム』感想

ちょうど一年前の今頃、私はオリバー・マスッチなる俳優に熱を上げていた。詳細は以下である。 tochterdeskino.hatenablog.com さて、このときに私はオタクの嗜みとして彼のInstagramの投稿を片っ端からチェックしたのだが、なんだか面白そうな主演作を見か…

サイレントとトーキーの狭間 早川雪洲の英語は上手いのか

「日本人は英語が話せない」、実によく聞く話である。私も受験英語ならともかく、コミュニケーション手段としてはブロークンだ。な~~~にが世界共通語だよ とはいえ、英語という問題は何も日本人にばかり降りかかるものではない。他の非英語圏の人間もまた…

19世紀ヨーロッパ全部載せ『アンデッドガール・マーダーファルス』

最近読んだものについて書く。 bookclub.kodansha.co.jp 吸血鬼に人造人間、怪盗・人狼・切り裂き魔、そして名探偵。異形が蠢く十九世紀末のヨーロッパで、人類親和派の吸血鬼が、銀の杭に貫かれ惨殺された……!? 解決のために呼ばれたのは、人が忌避する"怪物…

最近観たもの『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『ラストエンペラー』

近頃バタバタしていたのでとても久しぶりの更新になってしまった。社会人って本当に時間がない。働きながら趣味やその他生活を充実させている方々を尊敬するばかりである。 近頃観たものについてつらつら書く。 『エブリシング・エブリウェア・オール・アッ…

早川雪洲の容貌についてつらつらと書いた

私は日本人ハリウッドスター・早川雪洲が好きである。早川雪洲で卒業論文を執筆したくらいには好きである。 『チート』の早川雪洲。ご覧の通りとても美しいですね。 そんなわけで、彼に関する資料やら文献をぼちぼち当たった。早川雪洲が「美男子」であると…

ハリウッド、永遠の狂騒 『バビロン』感想

「セッシュウ・ハヤカワとその美しい妻ツル・アオキが住む素晴らしき城のような邸宅は、ハリウッドの映画村が地元紙の描写したような官能的なバビロンではないという事実を突きつけた」*1 『Night Life in Hollywood』(1922)の字幕のひとつである。 youtu.be…

私はまだ仮縫いが終わったばかり 『華麗なる闘い』感想

最近私が熱を上げている平田昭彦が出ていると知ったので観た。(ものすごく簡潔な成り行き)ソフト化されていない映画らしく(おかげで貼れそうな画像もちょうどよい紹介動画もない)、東宝~~~ソフト化するか東宝名画座で配信して~~~~~~ 清家隆子は、戸…

この世で確かなことが1つだけある、人は殺せる 『鎌倉殿の13人』感想

次の大河が始まる前に滑り込み感想。※『ゴッドファーザー』のネタバレがあります 『鎌倉殿の13人』が終わった。結構Twitterで話題になっていた気がするし、私の友人たちの視聴率もまあまあ高かった気がする。私もほぼ全話リアタイ視聴(壇ノ浦だけ見逃した)し…

三つ子の魂百まで? 劇場版『名探偵ホームズ』感想

本日、1月6日は誕生日である。そう、シャーロック・ホームズの!(諸説あり) 私はシャーロックホームズシリーズが大好きである。シャーロッキアンを名乗れるレベルでは到底ないが、原作は自宅に揃えてあるし、たいして読めないくせに英語版も置いてあるし、…

クロスオーバーってたいへんだ 『リーグ・オブ・レジェンド 時空を超えた戦い』感想

私はクロスオーバーという概念が大好きである。自分の好きな作品のキャラクター同士が同じ世界線に居るなんて一度で二度おいしい。一石二鳥。もう最高。ついでに言うと自分でクロスオーバーを空想するのも大好きである(最近思ったんだけど、初代ゴジラの芹沢…

60年代の光と闇『ラストナイト・イン・ソーホー』感想

あけましておめでとうございます。 今年の映画一発目は『ラストナイト・イン・ソーホー』だった。 Netflixで『クイーンズ・ギャンビット』を観て「主人公のエリザベスが素敵~!」と騒いでいたら、「その俳優(アニャ・テイラー=ジョイ)、私がこの前観た映画…